今日の○○

フィクション?ノンフィクション?

「じゃ、またね」手を振るぽぺこ。
「うん、待ってるよ」彼女も笑顔で手を振っていた。

これが彼女との最期の会話。


ぽぺこが会いに行って5日後に彼女は急変し亡くなった。
がんで。


ぽぺこが会いに行ったときも具合は相当悪かった。
以前から彼女とは「がんになったんだから死は覚悟しておかなきゃだよね」と話していた。

「相当辛そうだね」
「うん、ここのところ全然ダメなんだ」
「そっかぁ ムリに喋らなくていいから、待ってるから大丈夫」

「あのさぁ がんで亡くなるのって余命があるから幸せだっていうでしょ
 でも、それって違うよね、こんなに辛いんだもんっ
 私、事故とかなんかで即死の方がいいなぁ」

彼女は脊髄の周りにも腫瘍がはびこり、神経を圧迫され、下半身不随になってしまった。
ぱんぱんに浮腫んだ下半身が辛く、横に寝転がることもできない。
座ったまま机にうつ伏せて寝ていると話していた。


彼女の姿も言葉も胸が痛くなる。
なにもしてあげれない自分も不甲斐ないし。

「ねぇ、ぽぺちゃんはどう?体調いいの?」
「そうだね、腫瘍は増えてきてるけど、症状がないからね」
「大丈夫?」
「うん、治療しても治る状況ではないから、見計らってるみたいよ」
「そうなんだ」
「このままで私はどうなるんだろうって思うよっ」
「ダメ、そんなこと言ってちゃー」
「へ?」
「まだ大丈夫だから、もっと生きなくちゃ」

なんでお見舞いに行ってる私が励まされるんだ・・・
はぁーっ 情けないっ


「ねぇ、誰か会いたい人は?」
「みんなに会いたいけど、状況を話すのは面倒なんだ、隠したいわけじゃーないけどね」
「そうだね」
「それにね、「まだ諦めないで」とか「頑張って」って言われるのイヤ」
「うん、そうだね」
「でもね、○○には会いたいなぁ
 それと○○とは連絡が取れなくなっちゃって、どうしてるんだろう」
「わかった、今度は○○と一緒に来るから、それと○○には連絡つける」
「いい?」
「うん、なんとかなるよ、きっと」
「ありがと 来月にはホスピスに転院する予定だから、そしたら泊まってってね」
「泊まれるの?」
「キッチンとか和室とか、ちゃんと整ってるから大丈夫なんだよ」
「じゃ、女子会できるね」
「そうだね、ゆっくり過ごせるよ」
「じゃ、もうちょっと体力回復させといてねっ」
「そうだね、春までは生きたいし」

彼女の息子が来春小学校を卒業し、中学へ入学。
見届けたいから頑張ってみる、と話していた。


「またね」と言って別れた彼女との再会はなくなってしまった。
わかってはいるが、どうもね・・・
のみ込むことができないんだよね・・・

覚悟はしてたけど、こんなに受け止めることが難しいとは。


彼女に言われた「もっと生きなくちゃ」を忘れないように。
私の気持ちを整理するために、書いてみた。